国土交通省建築研究所で行った震動実験で得られた加速度と変位(物体のずれ)を示すグラフです。赤い線は震動台自身の揺れ(入力加速度)を表しています。阪神淡路大震災で記録された地震加速度と同じ加速度で震動台を揺らしています。青い線は震動台の上に載せた器物の揺れ(応答加速度)を表しています。いずれも左側の縦軸が加速度の数値を表しています。単位はガル(gal)を用いています。ちなみに横軸は時間(秒)を示します。器物に免震や制震の対処をした場合、「揺らす側」の入力加速度と「揺らされる側」の応答加速度は異なったものになります。免震や制震の性能を評価する指標の一つに、いかに入力加速度を低減できるかがあります。赤い線と青い線を比較するとそれが分かります。緑色の線は入力加速度による器物の位置的なずれの動きを表しています。右側の縦軸がその距離(mm)を示しています。このグラフから見て取れるのは最大600gal近い地震加速度に対してantisismo(アンティシスモ)を実装している器物には200galを下回る加速度しか伝わっていないということです。つまり地面と器物の間にこの装置を実装することで、巨大な地震の揺れを大きく遮断し器物を守る(免震)ことが実証されました。

このグラフはガスマイクロタービンのモデルにアンティシスモを実装した場合の、ロッキングによる上下方向及び、横滑りによる水平方向の動きを示しています。赤い線と青い線は底面の両側の辺の浮き上がり距離を示しています。縦軸は左側で単位はmmです。横軸は時間(秒)です。1mm未満の浮き上がりしか起こしていません。免震装置を装着せずに揺らした場合、ロッキングにより底面の片側が浮く高さは最大で約120mmで、角度でいえば10°以上でした。緑の線はモデルが地面に対して相対的に動いた水平距離を表しています。縦軸は右側で単位はmmです。
重心が比較的高い重量物は転倒すると大変危険ですし、転倒に至らないまでもロッキングによる衝撃で床及び器物の破壊に繋がります。地面に強固に固定した状態では、地震が動く方向と反対側に生じる慣性力のため、巨大な地震では固定部分付近に巨大な剪断力が発生します。その結果、ひどい場合は剪断破壊が生じ倒壊する危険性があります。アンティシスモは水平方向へわずかに滑ってエネルギーを遮断するため、このような力が生じません。

  • 10.09.16 アンティシスモのサイトをリニューアルしました。