地震大国日本では、地震の脅威に打ち勝つためにさまざまな先進的技術が開発され実用化されてきました。地震対策の基本的スタンスは、耐震、制震、免震等の考え方があり、それを体現する装置も様々な方式のものが開発されています。例えば、新素材による強度補強や物理エネルギーの変換(例えば力を熱エネルギーに変換等)を利用したもの、球の転がりを利用したもの、ゴムやバネ等の弾性エネルギーを利用するもの、物質間の摩擦力を利用するもの、空気圧を利用するもの等様々です。

しかし、一方で地震そのものの研究も進んで来ており、近年、「長周期地震動」による脅威が明らかになって来ました。これは揺れの周期が2〜3秒以上の非常にゆったりとした揺れで、非常に遠方まで伝わる性質があります。実例として、2003年に北海道苫小牧の石油コンビナートで発生した火災は、約200km遠方の震源域から伝わった周期4秒程度を主成分とする「長周期地震動」であったことが分かっております。この揺れに対比させると、従来、脅威の対象として考えられてきた1秒間に2回とか3回揺れる周波数成分の揺れは「短周期地震動」と呼ばれるもので、震源域の比較的周辺地域に被害をもたらします。勿論、「被害」の現れ方は異なってきます。

前述のように地震対策の基本的考え方、採用する原理・機構は様々ですが、今までの地震対策のための装置は開発の歴史的過程から「長周期地震動」の対応が盛り込まれる以前のものが多い状況です。私たちアンティシスモは、地震に対する防災装置とは「短周期地震動」であっても「長周期地震動」であっても区別なく、被害を最小化するものでなければならないと考えます。そしてこの信念を実現するために、今までになかった免震機構を開発しました。これは鋼球を活用しておりますが、「滑り摩擦」と「転がり」の2つの原理を同時活用したもので、非常にシンプルな構造でユニークなものです(特許取得済み)。しかも、あらゆる周期の地震に効果を発揮しながら、導入コストや導入の手間隙の観点から見ると革新的なものとなっております。

私たちアンティシスモは、信頼性の高い免震装置を、導入障壁を下げることで広く迅速に皆様に提供させて頂きたく、日々研究開発に取り組んでまいりたいと存じます。

1968.3 東京工業大学建築学科卒業
1968-1971 環境デザイン研究所・松田まこと建築設計・江幡建築設計勤務
1971-1983 設計室ドチ 同人 建築設計・監理
1971-1986 日本工業大学 非常勤講師 建築製図
1983-1994 株式会社ヨネダ設計 代表取締役 建築設計・監理
1994-1997 環境デザイン研究所 取締役 建築設計・監理
2002-2007 株式会社東京建物リサーチセンター 建物診断、大規模修繕設計・監理
2006- 株式会社アンティシスモ設立。現在に至る。

1998 NTT-BTI
●4足荷重25〜200kgエルセントロ、宮城県沖波1000ガルで加振
1999-2000 明治大学小泉研 
●静的摩擦実験
1999 日本原子力発電にて発電所全体の免震化のための実験を計画→諸事情により実現せず
1999.10 建設省建築研究所・BL 
●4足荷重480〜1440kgエルセントロ、神戸波(25〜65カイン)で加振
2000.3 奥村組研・BL
●4足荷重1910kg 変数:笠の角度 エルセントロ、神戸波(25〜50カイン)で加振
2000.7 原子力発電技術機構多度津高額試験所・BL
●実大木造軸組住宅
2000.10 明治大学小泉研
2001.2 建設省建築研究所・BL 東京電力技術研究所
●床置型設備機器用免震装置 エルセントロ、神戸波(25〜50カイン)で加振
2002.2 明治大学大学院石井恒司修士論文「球をテーパー面で受ける免震支承に関する研究」
2009.8 NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構) の助成事業に採択
2010.2 明治大学小泉研
●短周期地震動振動実験
2010.3 建築研究所・BL
●長周期地震動振動実験
明治大学小泉研
●短周期地震動振動実験
2010.5 明治大学小泉研
●短周期地震動振動実験
2010.6 本社移転(千代田区から江東区へ)
明治大学小泉研
●短周期地震動振動実験
2010.8 明治大学小泉研
●短周期地震動振動実験
2010.9 建築研究所・BL
●長周期地震動振動実験
2010.10 防災科学技術研究所(E-ディフェンス)大規模振動実験参加
2010.11 明治大学小泉研
●短周期地震動振動実験

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